70兆円市場の建設業に情報化革命が進行中

70兆円市場の建設業に情報化革命が進行中

色々な仕事の中で、特に人材不足が著しいのが建設業です。従事者は若者が少なく高齢化がすすんでいます。

仕事があっても、技術者がいない、ガードマンがいない、オぺーレーターがいない、後継者がいないと存続の岐路にたっている会社も増えています。

そんな中、2015年国土交通省は、建設現場の生産性20%向上を目指す「i-construction(情報化施工)」を打ち出し、その後他業種からの参入も相次ぎ 猛烈な勢いで 技術が進展しています。

 

ドローンの投入で測量が劇的に効率化

従来人手で行っていた測量がドローンを投入することにより、2週間程度かかっていたものが、わずか数日できるようになった。

ドローンで大量に撮影した空中からの写真を専用ソフトで、地形を3次元データ化(点群データ)、平面図化(オルソ画像)が可能になった。

さらに、ドローンにレーザースキャナを搭載することにより、樹木などにおおわれた地表面のデータを取得が可能になった。

災害による大規模な斜面崩壊の現場ではレーザードローンを飛ばし、短時間で(しかも安全に)亀裂や崩落の可能性なども分かるようになった。

 

3次元データを使った施工や検査が可能になった

従来、建設の現場では、2次元の図面(平面図、縦断図、断面図など)をもとに設計・施工や検査が行われてきた。

3次元での測量が可能になったことから、3次元の設計(BIM,CIM)を行われるようになった。

そのデータを、自動化された建設機械に入力することにより、無人でも正確に施工することが可能になった。

また、従来は人の手で測量し、施工する高さや幅を現地に明示する必要があったが、不要になった。

さらに、設計どおりに施工されているかのチェックも従来は、人が計測していたがドローンのデータやスキャナーを使って行えるようになった。

国土交通省

「ICT施工」と検索してみてください。大量の動画がアップロードされています。

 

他の産業からの参入分野

・ドローン”祭り”という状態なので、機器メーター、輸入代理店などが参入。オペレーターや技術者が大量に不足しています。

・道路や橋梁の点検には、レーザースキャナ―などで大量の画像データの収集が可能になり、その判定にAIの技術者が必要になっています。

・機器の自動化、ロボット化が急速に進んでいます。従来の建機メーカー(コマツなど)に加え、メカトロニクスの会社が参入していますが、自動車に比べ技術者不足です。

・まもなく、設計や施工は3次元データが主流になると思われるますが、SIM/BIMのソフトを使いこなせる技術者が足りません。

・ICT施工を行う会社は、クラウドをおいて現場と本社で画像や点群データなどをやり取りしたり、現場の事務作業を本社に集中するなど、ネットワーク化が必須です。大量のデータの送受信に5Gが活用が見込まれ、ネットワークの技術者が必要です。

・最近では、ウエアラブル(グーグルグラスのような)端末をつけ、本社などの熟練技術者がモニターを見ながら、若手技術者を指導するということも行われています。

 

その他

笹子トンネルの天井版崩落事故以来、構造物の点検が義務化されました。点検方法は、近接目視して打音検査を行うのが原則とされています。

しかし、人が近づくのが難しい橋梁などでは、おおががりな足場を設置する必要がありましたが、ドローンの登場により簡単に調査することが可能になりました。

最近では、グリーンレーザーを用いて水中での計測が可能になり、今後は河川の調査に使われていくでしょう。

 

まとめ

急速に技術が進んでいるのは、人材不足もありますが、国土交通省が本気で取り組んでいるからです。

工事や設計の基準や要領は、委員会をつくって数年間かけて作っていましたが、この分野では、あっという間に作られて、実態に合わないとどんどん改定されていきます。実態にあうように積算基準も改定されます。

工場などでは、従来から自動化やロボット化が行われてきましたが、建設業の分野でもここ数年で設計の方法や工事のやり方が変わってしまうかもしれません。

中小企業では、自動建機の導入やシステム開発などは難しいと思いますが、ニッチな分野で独自の技術やノウハウをもてば、急成長するかもしれません。

これからの技術者は、従来のやり方に捕らわれずに、新技術のリテラシーを日々勉強していく必要があります。

↓参考になります。

 

Share this...
Share on facebook
Facebook
Share on twitter
Twitter